京都に寺院ができる前。東京に高層ビルが建つ前。
それらすべてが生まれるずっと前に、出雲があった。
国全体を形作った神話が、石と海に刻まれた土地。
静かに寄せる波の音に、はるか昔の記憶が重なる。
風に揺れる木々は、神々の言葉を今もなお伝えているかのようだ。
人がまだ名を持たず、国という概念さえ曖昧だった時代。
この地では、目に見えぬ存在と人とが、同じ世界を生きていた。
縁を結び、運命を紡ぎ、祈りによって未来を選び取る――
その原点が、ここにある。
出雲。
それは単なる地名ではない。
時を超えて受け継がれる、日本のはじまりの記憶である。